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【IT業界志望者向け】ソフトウェア開発での仕事の進め方サクッと把握





パソコンと向き合うソフトウェア開発中の女性
スマホを持ちパソコンと向き合う女性、ソフトウェア開発

Saasの登場






Apple Musicで音楽を流したり、Gmailで会話を楽しんだり、Google Driveで資料を共有したりすることができる今日この頃、多くのことがSaaSを通じて可能になっています。






SaaS(Software as a Serviceの略)とは、インターネットを介してアプリケーションを利用させてくれる非常に便利なサービスのことです。







この傾向は、ビジネスモデルにも大きな変化をもたらしています。






過去のようにソフトウェアを販売して終わりではなく、現在はサブスクリプションモデルに移行し、利用されるたびに収入を得ることができるようになっています。






これは、顧客が継続してサービスを利用することで、事業者の収益が向上するというものです。









ソフトウェア開発と従来の製造業との違い






従来、日本が得意としてきた製造業では、製品が完成することが一つのゴールとされてきました。






しかし、ソフトウェア開発の世界では、単に作成することが終わりではありません。






重要なのは、ソフトウェアを「運用」し続け、安定して利用できる状態を維持することです。






そして、運用中に得られた学びを設計や開発にフィードバックし、ソフトウェアを徐々に改善していくプロセスが不可欠です。







このアプローチは、製品を一直線に完成させる従来のモノ作りとは異なり、継続的な改善と価値向上を目指す、よりイテラティブ(繰り返し改善)なスタイルです。







そのため、製造業の考え方に固執しすぎると、ソフトウェア開発の現場ではうまく機能しない可能性があります。







分解された基盤、衰退する製造業
分解された基盤、衰退する製造業

なぜこの開発手法になるのか






ソフトウェア開発を継続的に改善しながら進める必要がある理由を4点説明します









1つめは、要件定義の目的について考えてみましょう。







顧客が本当に求めているのは、ソフトウェアを活用してビジネスを効率化し、コストを削減し、売り上げを増加させること、そして新しい価値を創出することです。






しかし、要件定義の段階では、顧客にとって直接的なメリットが見えにくいことがあります。







例えば、特定の要件で指定されたデータ受け取り形式が、予期せぬ仕様変更を必要とするトラブルに直面することがあります。







これは要件定義が不十分であることを意味し、顧客自身もその影響の大きさを理解しづらい場合があります。







結果として、要件定義、デザイン、テスト計画の再検討が必要となり、プロジェクトのスケジュールが大幅に遅れることもあります。






慌てて対処した結果、完成したシステムが不安定になるリスクもあります。







にもかかわらず、要件定義の重要性は変わりません。プロジェクトの成功には、お互いの認識を合わせるために十分な時間をかけることが重要です。






顧客がシステムの詳細を完全には理解していない中で、事前に計画を立て、合意形成を行うことが、見積もりや納品プロセスでの鍵となります。









2つめは、パッケージソフトウェアとは、多くの企業が即座に利用できるように一般向けに開発された製品のことです。






これにはオンラインショップなどの基本的な形式が含まれ、企業ごとに若干のカスタマイズが可能です。





しかし、この「若干のカスタマイズ」が問題を引き起こすことがあります。







多くの場合、必要とされるカスタマイズは小さなものでは済まず、重要な機能の変更を試みると開発に莫大な労力が必要になることがあります。






場合によっては、開発ベンダーから実現不可能であると断られたり、莫大な追加費用が発生することもあります。






このため、パッケージソフトウェアを選択する際には、自社の具体的な要件に完全に適合しているかどうかを慎重に検討する必要があります。







このプロセスは「フィット&ギャップ分析」と呼ばれ、自社の要件とソフトウェアの機能の間の適合性を評価することで、選択過程におけるリスクを最小限に抑えることができます。









3つめは「人月」という見積もりの方法には、多くの疑問が存在します。







これは、何人のエンジニアがどれくらいの期間でプロジェクトを完成させるかを基に、開発費用を算出する手法です。







実際には、能力の高いエンジニア3人で3ヶ月で仕上げることが可能な場合、能力の低い10人で10か月かけて開発するというより多くの時間と人員が必要になる場合もあります。







顧客にとっては、効率的にプロジェクトを進める前者の方が望ましい一方で、開発会社はより長期間にわたって開発ができる後者のプロジェクトから方が収益を生むことができるという矛盾が発生します。








最後に、ソフトウェア開発が非常に高額になる理由について疑問を持つ人も多いです。





特に、完成後の小さな修正でさえ、予想外の高い見積もりが提示されることがあります。





この高額な見積もりの背景には、プロジェクトを期限内に完了させるために予期せぬリスクを考慮して「バッファ」を設けるという実践があります。






特に外注を利用している場合、バッファは著しく増加し、一次請けのマネージャーや二次請け以下のエンジニアも、「念のため」にとバッファを積み重ねます。






結果として、実際の作業量とは大きく異なる見積もりが提示されることになります。










ヘッドフォン
シンセサイザーの前に置かれたヘッドフォン

日本のIT産業が力を失った理由






戦後の日本が経済大国として急成長を遂げたのは、製造業の強さが大きな要因でした。





1970年代には繊維や鉄鋼業界が、1980年代からは自動車、家電製品、半導体、スーパーコンピューターなどのハイテク製品が世界市場で売れていました。







日本の企業は、自社で先進的な半導体を製造し、さまざまなコンピューターに利用して、高品質かつ低価格の製品を次々と生み出していました。






これが可能だったのは、世界トップクラスの技術力があったからです。






しかし、1990年代に入ると状況が変わり始めました。日本の企業は時代の変化に対応できず、世界市場での影響力を徐々に失っていきました。







2000年代になると、スマートフォンやクラウドサービスのブームが起こり、ソフトウェアはもちろんハードウェア分野でも、韓国や中国のメーカーに市場シェアを奪われるようになりました。
















日本の企業が過去の勢いを失ってしまった背景には、主に3つの大きな理由が挙げられます。







1つめは、ITに対する認識の誤解が大きく影響しています。日本では、ITをただの効率化を図るツールとみなす傾向がありました。






これは、1980年代から製造業での国際競争が激化し、産業構造の転換を迫られたアメリカとは対照的です。







アメリカではこの時期、金融やIT産業が大きく発展し、最終的にはGAFAのような巨大企業が誕生しました。











2つめは日本は、自動車や電気製品などの大手メーカーが市場を支配していたため、新興のIT企業に対しても「ふーん」という反応で、ITのポテンシャルを軽視する傾向が根強いことです。






アメリカや中国のIT企業が莫大な収益を上げる現代でも、この認識はあまり変わっていないようです。









3つめは、多くの企業の経営層はITを仕事を楽にする道具としか見ておらず、自社でITシステムを開発することは考えていません。






その結果、すべてをシステム会社やIT業者に依存する文化が根付いてしまいました。










ソフトウェアをどう捉えるべきか








アメリカの著名な大学教授が記述したある書籍によれば、ソフトウェアに対する認識は国によって大きく異なります。






日本ではソフトウェアが「複製可能な製品」として見られることが多いのに対し、アメリカではそれを「ビジネスにおける強力な武器」と捉え、ヨーロッパでは「美を体現するもの」として評価されています。






これらの観点からすると、日本の企業が製造業での成功体験に過度に固執し、ソフトウェアの真の価値や可能性を見落としている可能性があります。







製造業における実績や過去の成功が、新しい技術やビジネスモデルへの適応を妨げる一因となっていると指摘されています。











もっと知りたい方へ









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